以前に当社をご利用頂いたお客様からのご紹介で、長らく空き家になっている物件の査定をして欲しいとのご依頼で現地に向かいました。売主様はご高齢で介護施設にご入居されており、そのご子息様が物件の管理に困っていらっしゃるとの事だったのです。
現地に到着すると、そこには山積みにされた産業廃棄物と、窓や外壁に穴が空き今にも崩れてしまいそうな老朽化した建物が植栽と雑草に覆われておりました。まるでTVで見るゴミ屋敷状態だったのです。季節は夏、産業廃棄物には雨水が溜まり多くの蚊が発生しておりました。
現地を共に確認されたご子息様も久しぶりに現地に訪れたそうで現状を目の当たりにし、驚きと落胆を隠せないご様子でした。そのご挨拶に伺った際の近隣の皆様のお話では、時として汚水のにおいが漂い、また敷地内の土地が道路にまで流れ、通行者の妨げになっているとの事。それはこれまでの日常生活を脅かされた静かな怒りをひしひしと感じるものでした。
さすがにこのままでは買手がつかないだろうと判断し、解体、産業廃棄物、植栽の撤去のお見積りを取ったところ、金額はなんと450万円。普通の方が負担できる金額ではありません。そこで、仲介での査定額に合わせ、当社の買取の金額もご提示差し上げました。幸い土地は120坪程度ありましたので、宅建業者であれば土地を分割し60坪の2区画を造成する事が出来ます。また120坪の土地よりも60坪の土地は需要が高い為に、坪単価を高く設定する事が出来ます。その為、当社の買取金額も高くご提示出来るのです。
試算上、仲介と買取とで売主様に最終的に残る利益が50万円程度の差であった事と、費用負担とかかる手間を考慮され、当社が買い受ける事となりました。売主様のご子息様は、物件を管理しなくてはとは思っていたものの、仕事などの都合でなかなかが手が行き届かなく大変心苦しい思いをされていらしたそうです。お引き渡しを受ける際には「これで周りの方々に迷惑を掛ける事がないと思うと安心です。あとは宜しくお願いします。」と物件を託して頂きました。その後、当社で解体処分等を行い宅地として気に入って頂けた方へご購入頂きました。現在、新築住宅を建築中ですが、近隣の皆様にも環境が改善された事でとても喜んで頂いております。
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