不動産買取事例①末期ガンの売主様から頂いた「ありがとう」の言葉

当社で売主様より不動産の直接買取をさせて頂いた事例をご紹介致します。

約2年前に一度ご相談を頂いていたお客様から、ある日突然のご連絡を頂きました。その日は終日予定が埋まっておりましたが、どうしても今日でなくてはならいと相当お急ぎのご様子でしたので、なんとか予定を調整し、ご自宅へ向かい事に致しました。

ご自宅に到着し、久しぶりにお客様にお会いし私は驚きました。2年前お会いした時のお客様は比較的恰幅の良い方だったですが、その時のお客様は非常に痩せていらっしゃったのです。一目見てなんらかのご病気を患っていらっしゃる様にお見受け致しました。驚きを隠せなまま、今回お呼び立て頂いたご理由などをうかがっていると、お客様は末期のガンを患っているとの事でした。お医者様から宣告された余命は1ヶ月、相続でご家族に迷惑をかけたくないと、ご自身がしっかりされている内に不動産を処分してしまいたいとのご相談でした。

まだ、不動産の詳細な調査も価格算出も行っておりませんでしたが、状况が状况でお客様がスピートを求められており、またこの状况で当社を頼って頂けた訳ですから、私は即答で「最短・最適価格で必ず買取をさせて頂きます。」とお客様へお約束させて頂きました。

すると、お客様はとても安心された様に、これまでのご自身の人生についてお話をされました。お客様はこれまでの人生が幸せであった事、そしてそれは先立たれた奥様やお子さんのおかげである事、天国には奥様がいるから何も怖くないんだ、とおっしゃっておりました。私は自然と涙が溢れていました。それは同情などではなく、なんと豊かで潔い心をお持ちの方かと思ったのです。そして、私は必ず、お客様の想いに応えようと思いました。

通常の買取の場合、買取代金のお支払いまでは1ヶ月〜2ヶ月程度のお時間がかかる事が一般的です。しかし、この時は提携している司法書士の先生や銀行さんにご尽力頂けた事もあり、またすべてのリスクは当社が引き受ける事を覚悟して、ご相談から5日で取引の全てを終える事が出来ました。取引完了の際には「丹治さんにお願いして良かった。これで子供に迷惑を掛けることもない。ありがとう。」とお言葉を頂き、私には身に余るお言葉ながら、お客様に喜んで頂けたことをとても嬉しく思いました。

その1週間後、売主様は天国へ旅立たれました。その事をお客様のご子息様から知らされた際にも、再度感謝の言葉を頂きました。お客様は、ご子息様へも私への感謝をお伝えされていたとの事でした。

不動産取引は大きな場面に出くわす事も少なくありませんが、このような状况で当社を頼って頂けた事、また最後の最後までお気遣い頂いた事、とても嬉しく深く感謝申し上げます。

きっと、お客様は天国で奥様と豊かな時間を過ごされているものと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です