不動産を仲介で売却する場合の一般的な流れ

様々なご理由から不動産を売却する時、その方法は不動産会社へ仲介業務を依頼する方法と、不動産会社へ直接買い取ってもらう方法がありますが、今回は不動産を仲介で売却する時の流れをご紹介したいと思います。

不動産会社へ相談に行く前に、まずは不動産売却がどのように進んでいくのかその全体像を俯瞰して掴むことで、安心して不動産売却を進める手助けになれば幸いです。

はじめに. まずはざっくりこれだけ知りたい

お忙しい方は、こちらの要約をご覧ください。

(1)不動産売却全体の流れ

不動産売却は以下のような手順で進んでいきます。ご参考下さい。

(2)不動産売却に必要な期間の目安

不動産売却に必要な期間の目安は以下の通りです。ご参考下さい。

 

以下より、詳細な内容に入ります。

 

1.不動産会社選び〜販売まで(目安期間:1ヶ月程度)

不動産を売却する際最も重要なのは、仲介を依頼する不動産会社選びですから、時間に余裕を持ち、出来る限り複数の不動産会社に相談して最も信頼出来る不動産会社に依頼しましょう。ここまでの期間が売主様にとっての準備期間となります。

(1)売却のご相談

不動産を売却するには、まず不動産会社へ売却の相談をします。方法としてはインターネットを通じ一括査定サイトを利用しても良いですし、不動産会社へ電話をしたり、直接出向く方法もあります。

しかしながら、不動産会社によって不動産売却業務の得意・不得意がありますから1社だけに相談するのではなく、複数社(3社程度)に相談し意見を参考にするのが良いでしょう。また、複数社の担当者に会い、信頼できそうな方に出会えたら、必ず訪問査定(詳細査定)を依頼しましょう。

不動産会社の中には、机上査定で査定金額を提示する会社がありますが、本来現地(土地・建物)を見ず、また調査を行わないで査定金額を算出することは個体差がある不動産では不可能です。金額の大きな不動産だからこそ、きちんと調査し、査定金額を提示してくれる不動産会社に査定を依頼したいところです。

(2)不動産会社による物件の調査・価格査定

不動産会社へ訪問査定を依頼すると、日程を調整し、現地(土地・建物)を調査します。調査内容は多岐に渡りますが、慣れた不動産会社であれば、訪問査定の時間は概ね1時間程度でしょう。

その後、不動産会社側で法務調査や役所調査を行い、販売にあたってリスクと成りうる可能性と解決方法を導きだします。(不動産は何らかのリスクを抱えているケースが圧倒的に多いのです。)査定価格はそれらを反映したものとなりますので、不動産価格査定には、「現地調査」「法務調査」「役所調査」抜きには算出できません。

(3)売却価格の設定・媒介契約の締結

それぞれの不動産会社から、3つの調査・金額算出の上、提示される「査定書」を確認したら、不動産会社と媒介契約(仲介での販売依頼)を締結します。

不動産会社によって大なり小なり査定価格が異なりますが、重要なのは査定価格が高いからといってその価格で売却出来るとは限らないという点です。不動産会社によってはわざと高い査定金額を提示し、売主を喜ばせ媒介契約を取り、後で価格を下げれば良いだろうと考える会社もありますから注意が必要です。

査定金額だけに惑わされず、調査や査定金額の根拠がしっかりしているか、販売経路を持っているかなどを参考に、最も信頼出来る不動産会社を選びましょう。

また、媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つがありますが、一般的には専任媒介契約を選ばれるのがベターな方法であると思います。
(詳しい媒介契約方法の内容、メリット・デメリットはこちらの記事をご参照下さい。)

また売却価格は売主様の状況によって設定は異なります。例えば、とにかく早く売りたいという事であれば、査定価格より多少安く設定することもあるでしょうし、時間がかかっても高く売りたいということであれば、多少高く設定することもあるでしょう。

大切なことは、ご自身の不動産売却成功の為に不動産会社と一緒に売却に関する戦略を練った上で売却価格を設定することです。

 

2.販売〜ご契約・お引き渡しまで(目安期間:3ヶ月〜6ヶ月程度)

売却価格を設定し、媒介契約を締結したら、準備期間を終えついに販売(売却)活動開始です。販売活動が開始すれば、基本的には不動産会社の担当者が取引を導いてくれると思います。

(1)販売(売却)活動開始

販売活動が開始されると、インターネットやチラシなどによって購入見込み客への広告活動が始まります。空き家となっている物件であれば、担当者に鍵を預け管理も含め任せることが出来ますが、居住中のまま売却活動をするのであれば、多少売主様への負担も発生します。

例えば、広告を見た購入見込みの方が現地を見に来ることもあるでしょうし、購入の為の建物の内覧もあります。内覧したからといって必ず購入するとは限りませんので、場合によっては複数回内覧を受け入れる必要があるかもしれません。

一般的には相場なりの価格であれば、3ヶ月程度、内覧回数5回以内で成約になることが多いでしょう。それ以上に期間や内覧回数が多い場合には、売却価格が相場よりも多少高いのかもしれません。

購入希望者様(買主様)が見つかれば、「買付証明書」を購入希望者様からいただき、日程を設定しご契約への運びとなります。

(2)不動産売買契約(買主様への重要事項説明)

購入希望者様(買主様)から「買付証明書」を頂いたら、まずは契約内容の確認を行うことをおすすめします。不動産の売買契約は金額が高額ですから、取り決めを間違うと思わぬリスクを売主様側で引き受けることになってしまう可能性がある為です。

事前に売主様が負担する責任、買主様に負担していただく責任の所在、つまり契約内容を確認することは不動産売買取引において最も重要なことのひとつです。

また、買主様のお人柄も不動産会社の担当者へよく確認されると良いでしょう。中古住宅や中古マンションである場合、どのような不動産でもひとつふたつはなんらかの不具合があるものです。稀に非常に細かい購入希望者様もいらっしゃいますので、将来的なリスクを考えるとそのような方にはあまり売却しない方が良いかもしれません。

買主様が見つかることは非常に嬉しいことですが、目の前だけでなく、将来的な部分も含めご納得いただける買主様とご契約を結びたいところです。

【ご契約の流れ】

①買主様への重要事項説明書のご説明(60分程度)
②ご契約書の読み合わせ(30分程度)
③ご署名、ご捺印(20分程度)
④手付金の授受(10分程度)
⑤解散

上記の流れで進み、合計で2時間程度のかかります。

【契約時必要物】

・身分証明書
・印鑑(認め印でも可)
・印紙代

をご準備いただくようになります。

(3)引渡し前準備

ご契約が終わると、ご契約時に取り決めた期日までに引き渡し準備を終えなくてはいけません。物件や契約内容によってどのように引き渡すかは様々ですが、引き渡しの期日は容易に延長出来るものではありませんから、余裕を持って準備を進めたいところです。

準備内容の一例として最低限行うものには以下のようなものがあります。

中古住宅・マンションの場合
・建物内外の荷物の片付け処分(建物内外を空にする必要があります。)

土地の場合
・境界が曖昧な場合の境界確定(測量図の作成)

住宅ローンを組んでいる場合
・抵当権者である銀行との事前打ち合わせ

(4)残代金授受・引渡し

引き渡しまでの準備を終え、買主様の購入資金の目処がつきましたら、再度日程を調整して「残代金の授受・お引き渡し」となります。

一般的には、買主様の資金(融資を含む)を預けている銀行に、売主様・買主様・司法書士・不動産会社が集まり、手続きを行います。原則として売主様、買主様は必ずご本人様がご出席いただく必要があります。

また、不動産会社への仲介手数料のお支払いも多くの場合、お引渡し完了時にお支払いすることになるでしょう。

【残代金授受・引渡しの流れ】

①登記必要書類の確認
②司法書士による本人確認(売主様・買主様)
③司法書士による所有権移転登記書類のご説明(売主様・買主様)
④必要書類へのご署名・ご捺印
⑤残代金の授受
⑥売主様から買主様へ鍵などのお引き渡し

上記の流れで進み、合計1時間程度かかります。

【お引き渡し時必要物】

・登記識別情報(権利証)
・身分証明書
・ご実印
・印鑑証明所(発行後3ヶ月以内のもの)
・建物の鍵、お手元にある関係書類など
・仲介手数料

 

まとめ

今回は不動産を仲介で売却する場合の一般的な流れをご紹介致しました。

不動産には個体差がありますから、実際の取引の際には(特に、ご契約時・お引渡し時の必要物や、お引渡し準備の内容など)上記と異なることもあります。しかし、全体の流れはどのような不動産でも変わりません。安心して不動産売却進める手助けとしてご参考いただければ幸いです。

またご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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