白河市の空き家賃貸事業について

10月23日の福島民放の記事によると、白河市で空き家対策事業が発表されました。活用されていない空き家を所有されている方にとっては非常に有益な事業ですので、今日はこの事について書きたいと思います。

白河市は十一月、市内への定住促進に向け常陽銀行(本店・水戸市)と連携した空き家対策事業に乗り出す。貸し出しを希望する所有者に市が改修費を最大で百五十万円補助し、銀行側はリフォームに必要な費用を融資する。同行と提携する一般社団法人「移住・住みかえ支援機構(JTI)」は借り主がいない場合、家賃を一定額保証するなどして空き家を貸す環境を整える。

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(福島民放より)

活用されていない空き家を所有されている場合、その管理が大変な負担になっているケースが少なくありません。加えて管理が行き届かずに近隣に迷惑をかけてしまうケースも同じく少なくありません。この事業はそういった空き家を減らす有効な事業になりうると思います。

この事業で空き家をリフォームすれば、

・自治体から150万円の補助が受けられる。

・借主がいない場合でも家賃の一定額を保証

・保証された家賃を上限として、リフォーム費用を常陽銀行が融資してくれる。

という事ですから、誤解を恐れずシンプルに言えば、ご自身の所有されている空き家を自治体やJTIの費用負担でリフォーム(資産価値を向上)出来るという事になります。(貸主側で融資を受けるという負担は発生しますが、月々の支払い金額はJTIの家賃保証内ですから実質の負担はありません。)

リフォーム後の一定期間(融資期間など)は賃貸物件として貸し出す努力をする必要は求められると思いますが(細かい適用要件は見つけられませんでした。)、JTIのホームページ見ると基本的には3年間の定期賃借の様ですから、一定期間賃借後に売却したり、その後に住むといった場合でも有効な手だと思うのです。

通常、一軒家をある程度リフォームする場合には300万円〜400万円程度はかかります。仮に、自治体の補助を受けたとすると、融資額は250万円になります。融資金利が2%程度だとすると、4年〜5年で全て完済出来る事になります。(融資返済額上限5万円を当てはめた場合)さらに言えば、きちんと賃借人が家を借りてくれれば、さらに賃料収入が見込める訳です。管理しきれない空き家を所有されている方にはとても朗報だと思います。

ただし、まだ制度の細かな要件などを見ていませんので、それによって本当に有益な制度か、という疑問は残ります。例えば、

・家賃の相場は誰がどのように決めるのか。

・どのような賃貸契約になるのか。

・貸し出さなければならない期間の定めはあるのか。

・リフォームすべき箇所は誰が決めるのか。

・JTIが万が一破産した場合の家賃保証はどうなるのか。

など、ざっと考えただけでも、これらは確認すべき事項だと思います。実際に有益な事業かどうかは、事業利用者が利用しやすいかどうか(利用者の負担が少ないかどうか)で決まります。

この事業は白河市のものですが、福島市でも人気のエリアにありながら、荒廃してしまっている空き家を見かけることがあります。沢山の人が住みたいと考えるエリアなのに利用されていない事はとてももったいない事です。かといって、リフォームするには多額の費用がかかりますから、そのままになってしまっているというケースも少なくないのでしょう。こういった事業はそれらを価値のある資産に変える可能性を持っています。

福島市でも是非挑戦してほしい事業です。

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