信頼できる不動産会社の選び方

「不動産会社によって違う得意・不得意」の記事で、空き家を売却する際には「不動産売買の売却依頼を受けるのが得意な会社」に依頼することが売却成功の近道であるとお伝え致しました。

こちらではそれを踏まえ、「不動産売買の売却依頼を受けるのが得意な会社・担当者」かどうかを見極めるためにはどうすれば良いかをお伝えしております。ご参考になれば嬉しく思います。

1.  インターネット上で見分ける。

不動産の売却は人生で何度も訪れることではなく、いきなり不動産会社に問い合わせを入れることに心理的な壁がある方も少なくないでしょう。

そのような場合でも現在はインターネットで多くの情報を入手することができます。こちらでは、実際に問い合わせをいれる前にインターネット上で確認したいことをお伝えしています。

(1)一括査定サイトを利用する。

不動産を売却する場合の第一歩として現在は非常に便利なサイトがあります。それが、「不動産一括査定サイト」です。

一括査定サイトを利用するメリットには

・少なくとも不動産売却に力を入れている会社を知ることが出来る。

・一度に無料で複数の会社に相談が出来る。(比べることができる。)

・メールでの簡易的な相談にも対応してくれる。

などの点があります。すぐに売却を考えている訳ではない、といった場合にも電話やメールなどである程度の相談はすることができます。様々な会社に相談し意見を聞くことは売却の第一歩としては非常に有益だと思います。

ただし、一度に複数の会社に依頼することになれば、それだけその対応に時間が取られてしまったり、情報がオープンになってしまうなどのデメリットもあります。

不動産一括査定サイトは現在数十のサービスが乱立していますが、代表的なサービスを3つご紹介いたします。

ちなみにどちらのサイトをご利用頂いても内容にあまり違いはありません。ただ、サイトによって登録している会社の数には違いがありますので、査定や相談をしたいエリアで3社程度は登録しているサイトが良いと思います。

(2)会社のホームページを確認する。

不動産一括査定サイトには上記のようなメリットもありますが、同時に対応に時間が取られる、情報がオープンになってしまう可能性がある、といったデメリットもあります。あまり時間が取れない、情報をオープンにしたくない、といった場合には不動産会社のホームページを確認する方法があります。

会社を検索する場合、「空き家売却 福島市」「不動産売却 福島市」などと検索することが一般的ですが、裏技として、不動産一括査定サイトへ必要項目を入力して、問い合わせは「入れず」登録会社のみを確認するという方法もあります。

必要項目を入力すると、依頼が出来る会社の一覧が出てきますので、(他社を映せないため便宜上当社の内容を表示しています。)その会社の名前を確認し、それぞれの会社のホームページを確認するという方法です。

ホームページでは、それぞれの会社の特色が確認出来ますが、特に

・不動産売却に関するたくさんの情報を開示している。

・実際に利用したお客様アンケートを開示していて満足度が高い。

・店内やスタッフの顔写真を掲載している。

といった会社はそれだけノウハウや経験を備えている可能性が高く、また会社の透明性も高いと言えるでしょう。逆にあまり更新されていないホームページなどは実際の仕事もフットワークが重いかもしれません。

2.  実際に担当者と会って確認したいこと

インターネットで様々な情報を確認し、相談をしたい不動産会社のあたりが付いたら次のステップは実際に不動産会社の担当者に会うという事になります。この際、事前にインターネットで調べた会社から3社程度には相談してみると良いでしょう。

(1)担当者の力量で結果が大きく異なる

実際に相談をする前に一つ理解しておきたい事があります。

それは「不動産売却は担当者の力量が結果に大きく影響する」という事です。

不動産の売却依頼する際、会社選びが最も重要なことはこれまでも何度もお伝えしてきましたが、さらに突き詰めて言えば、それ以上に重要なのは「担当者」なのです。

通常、不動産売却の一連の流れ(相談、調査、査定、販売、契約、引き渡し)は一貫して一人の担当者がサポートする事になります。つまり出会った担当者と二人三脚で売却を進めていくことになるのです。

不動産売却は売れれば良いというものではなく、きちんとした調査を基に、金額だけでなく契約内容まで精査し売れた後もトラブルを引き起こさない安全な取引を行うことが重要です。それためには担当者がそれ相応の知識と経験を備えている必要となります。トラブルが起きてからでは取り返しがつきません。

また、不動産は個体差が大きいため、どのような物件にも必ずメリットとデメリットがあります。購入検討者にメリットばかり伝える担当者は不必要に購入検討者の期待値を高めて、後のトラブルを招きかねませんし、デメリットばかり伝えては売れるものも売れません。

早く、高く売るためには市場において相対的な物件のメリット・デメリットを担当者が認識している事が必要なのです。

(2)担当者に確認したい3つのこと

不動産売却が得意な会社か、また上記のように知識や経験を備えている担当者か否かを見分けるポイントとして、実際に会った担当者には以下の3つのことを確認すると良いと思います。

    ・不動産会社として、どのようなスタンスで売却を考えているか。

    不動産会社によって、依頼を受ける物件の想定売却期間(どの程度の期間で売却するのが最適だと思っているか)やそれに伴う価格設定の根拠はそれぞれ異なります。また取引上最も重要である契約内容についても、どこまでのリスクに対して備えるかは大きく異なります。売主様の希望に合う期間内に想定価格で、かつ売主を手厚く守るための契約内容を備えてくれる会社が良いです。

    ・不動産会社として、どのような販売経路の仕組みを持っているのか。
    インターネットや紙媒体の広告、また提携している会社など、販売にあたっての窓口をどの程度持っているのかを確認すると良いと思います。担当者の営業力はもちろんですが、実はそれ以上に、いかに多くの購入検討者に物件の存在を知ってもらえるかが早期売却、高価売却の一つの鍵となります。

    ・担当者のこれまでの経験は?(リスクに対する対応策を持っているか。)
    相談する物件と似た物件をこれまで扱ったことがあるか、その場合にはリスクについてどのような対処をしたのか、どのような形で売却に至ったのかなどを聞くと参考になると思います。また、経験年数よりも経験物件数に目を向けることが重要です。例えば1年間に10件の取引を行っている10年目の担当者よりも、1年間に30件の取引を行っている4年目の担当者の方が営業力としても経験量としても優秀な場合が多いです。

    このような質問に納得のいく答えを持っている担当者は、信頼出来る担当者であると言って良いと思います。

    (3)提示される査定価格に惑わされない。

    各社の担当者から査定価格を提示される場合、その金額は各社によって多少バラつきがあるでしょう。例えば2000万円を基準とするならば、1800万円〜2200万円(前後10%)程度のバラつきは十分に考えられる範囲です。売主様の立場からすれば1800万円と査定してきた会社よりも2200万円と査定してくれた会社の方が印象が良いのは言うまでもありません。

    しかし、それが仲介販売での査定価格ならば少し注意が必要です。なせなら仲介での販売の場合その査定価格はあくまでも「売却できるであろう価格」だからです。売却が未来の話である以上、誰もその価格を保証することが出来ません。つまり査定価格が2200万円でも実際には1800万円でしか売れなかったという事も十分にあり得るのです。ですから、査定価格は高ければ良いというものではありません。

    逆に査定価格が高い場合には以下の3つを確認することをおすすめ致します。

      ・想定している売却期間が異なる
      お客様によって「時間が掛かっても高く売却したい」という方もいれば、「少し安くても出来るだけ早く売却したい」という方もいらっしゃいます。不動産会社はお客様の要望に合わせ、ギリギリの高い査定金額を提示します。
      ですからA社が1年程度を想定して2200万円、B社が1ヶ月程度を想定して1800万円を提示している場合があるのです。
      この場合、「出来るだけ高く」という事であればA社、「出来るだけ早く」という事であればB社がお客様のご事情をきちんと理解しているという事になります。

      ・不動産会社によって調査力に差がある。
      通常査定を行う際には価格を算出する前に不動産の現地調査、法務調査を行います。この調査では様々な売却リスクが判明する事がありますが、そのリスクを浮かび上がらせる力(=調査力)は残念ながら不動産会社によって差があるのが現状です。
      例えば、改善するのに100万円の費用がかかるリスクがある場合、A社はリスクを把握していて1900万円、B社はリスクを把握しておらずに2000万円の価格を提示しているということもあるのです。
      この場合、提示した金額が安くとも、リスクを把握しているA社の方がはるかに優秀と言えます。

      ・媒介契約(仲介契約)を取りたいがために高い金額を提示している
      これは最悪のケースですが、高い金額を提示することでお客様を喜ばせ、とりあえず媒介契約を取ろう、値段は後で徐々に下げていけば良いと考える会社が稀にあります。このような会社(担当者)は自社都合で仕事をしていますから、「囲い込み」も平気で行う恐れがあります。複数社に査定を依頼し、1社だけ以上に金額が高い場合にはこのようなケースも考えられますので注意が必要です。
      各社が様々な査定価格を提示してきても、当然ですが最終的に販売価格を決めるのは売主様です。ですから、価格に惑わされず、まずは信頼出来ると思える担当者に売却の依頼をし、その上で想定の売却期間や他社の価格も参考にしながら担当者と相談し販売価格を決めると良いでしょう。

      まとめ

      今回は信頼出来る会社(担当者)の選び方についてお伝えしました。不動産売却は売主様と担当者の二人三脚によって成功します。売主様の最適なパートナー選びの参考になれば嬉しく思います。

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