不動産の引き渡しと代金授受の流れと必要書類について

不動産売買契約を締結し、引き渡しの準備が完了すればついにお引き渡しとなります。ここでは、お引き渡しと代金授受の流れとその際の必要書類等についてお伝えしています。

1.  決済(お引き渡しと代金授受)の流れ

一般的には売買契約から1ヶ月〜2ヶ月程度で決済(お引き渡し・代金授受)を同時に行います。決済は売主様・買主様・不動産業者(仲介業者)・司法書士で買主様指定の銀行(買主様の金銭が預金されている銀行)に集まり、「登記の確認」後、「代金授受」という流れとなります。売主様・買主様はご本人様のご出席が原則となります。

決済の手続きそのものは難しいものではなく、30分〜1時間程度で完了します。
 

(1)全体の流れ

お引き渡し・代金授受の全体的な流れは以下の通りです。

①司法書士による売主様・買主様の本人確認・売買対象物件の確認(15分程度)
売買取引を行う当事者である売主、買主が間違いなく本人か、また売買取引を行う対象の不動産に間違いがないかを司法書士が確認します。

②必要書類の確認・所有権登記等の書類へのご署名・ご捺印(10分程度)
委任状など所有権移転登記の際に法務局へ提出する書類へご署名・ご捺印を頂きます。

③残代金等の授受(10分程度)
登記関係書類が全て揃い、司法書士が登記申請を出来る状態になったことを確認して、買主より売主へ残代金の支払いが行われます。稀に現金の手渡しを行うこともありますが、一般的には銀行振込みによって行われます。

④各種手数料の清算(5分程度)
最後に仲介手数料やケースによって登記手数料、測量費用などの清算を行います。

解散

所要時間は30分〜1時間間程度となりますが、買主様が融資を受けて残代金の支払いを行う場合には手続きに多少の時間がかかる場合があります。
 
 

2.  決済(お引き渡し・代金授受)に必要な書類等

決済は手続きそのものは難しいものではありませんが、必要書類が整わなければ決して行うことは出来ません。余裕を持った準備が必要です。
 

(1)必要書類等一覧

・登記識別情報もしくは登記済証(権利証)
登記識別情報、登記済証(権利証)には様々なかたちがありますが、その効力に違いはありません。これらの書類は不動産所有者のみに1度だけ発行されるもので、所有権移転の際には原則として必ず必要となります。

・印鑑(ご実印)
売主様は所有権を譲り渡す側となりますので、必ずご実印が必要となります。

・印鑑証明書
市役所で取得頂き、ご準備頂くようになります。

・身分証明書
運転免許証、パスポート、健康保険証、年金手帳、住基カードなど
保険証などの顔写真のついていない証明書の場合には2点必要になります。

・各種手数料
仲介手数料やケースによって、登記手数料や測量費用などは取引を円滑にすすめる為に基本的には現金でご準備されることをおすすめしますが、残代金がお手元に届いた段階で支払うことも出来ます。

・土地や建物に関係する鍵や書類等
対象の不動産の鍵や、関係書類は原則として全て買主様へ引き渡すこととなりますが、必ずなくてはいけないというものではなく、お手元にあるもので結構です。

※その他、ケースによって住民票、戸籍の附表などが必要になる場合があります。

 

(2)必要書類が準備出来ない場合には

・登記識別情報(登記済証)がお手元にない場合
万が一なんらかの理由で登記識別情報や登記済証(権利証)が紛失してしまった場合でも、登記識別情報や登記済証は再発行が出来ません。(1度しか発行されません。)
しかしそのような場合でも、司法書士に「本人確認情報」という書類を作成してもらい代用することが出来ますが、数万円程度の費用がかかります。もし、お手元に登記識別情報等がない場合には必ず事前に仲介を依頼している不動産会社へ相談することをおすすめ致します。

・印鑑証明書が取得できない場合
印鑑証明用の印鑑が紛失してしまったり、印鑑証明登録を行っていない場合などで印鑑証明書を取得できない場合には新たに印鑑をご用意頂き、印鑑証明登録を行っていただいた上で印鑑証明書を取得頂くようになります。

 
 

まとめ

今回は引き渡しと代金授受の流れと必要書類についてお伝え致しました。決済のは手続きは決して難しくありませんが、必要書類がないと手続きを行うことが出来ないところに注意が必要です。当日になり、手続きが行えないとなってしまうと多くの方に迷惑をかけることとなってしまいます。必ず事前に準備を行い、取得できない書類などがあれば、早めに不動産会社などにご相談されると良いでしょう。ご参考になれば嬉しく思います。

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