相続不動産を売却するにはどうすればいい?

当社は売却を専門とした不動産会社ですので、売主様から売却に関して様々なご質問をお受けする訳ですが、「相続」に関わる不動産売却において最も多いご質問の一つに、「親が住んでいた家がそのままになっているのだけれど、売却出来ますか?」といったものがあります。

このようなご質問を頂く場合、多くのケースでは、相続登記が行われておらず、所有者の名義が親(被相続人)のままになっていたという事が少なくありません。また、そもそも遺産分割協議自体が行われていないというケースも多いのです。

相続が発生しても、相続税を納税するのは全体の4%程度の人であり、残りの96%は相続財産の合計額が相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)内に治まっている為に、そもそも申告をする必要がありません。そのような場合、相続発生時点ですぐになんらかの手を打たなければならない訳ではありませんから、そのままになってしまうケースが多いのです。

では、このように、遺産分割協議や相続登記が行われていない状態の不動産を売却する場合にはどのような手順になるのでしょうか。順を追ってご説明したいと思います。

①遺産分割協議を行う。
まず一番最初に行うべきは遺産の分割協議を法定相続人間で行う事です。相続されずにそのままになっている不動産を売却する場合には、法定相続分に沿って売却代金を分け合うとする遺産分割を行うケースが多いと思いますが、相続人間で話がまとまるのであれば、誰か1人に全てを相続させる事も当然可能です。
また、先の売買まで見越して分割協議を行うならば、相続不動産自体は一人に相続させて売却を行った後、売却代金を相続人間で分け合うとした方が、売買契約や、所有権移転登記の手間が一人で済む事を考えるとスムーズです。(ここは結構重要なポイントです。)
遺産分割協議を行い、司法書士などに「遺産分割協議書」を作成してもらう事で相続登記が行える状態となります。

②相続登記を行う。
相続不動産の所有権を被相続人(親など)から相続人へ移転させる登記を行います。ここで必要となるのが「遺産分割協議書」であり、この書類があれば非常にスムーズに進みますので、時間にして1週間程度で相続人の名義に切り替わります。

相続不動産を売却出来る状態にするには以上2点の手順を踏む事になります。その後は一般の不動産を売却する際の手順と変わりません。相続人間での争いなどがなければ特に難しい事ではなく、2週間〜1ヶ月程度あれば十分に終える事ができます。(逆に揉めている場合には遺産分割協議書が作成出来ない為に、相続登記ができない場合があります。)
また蛇足ですが、相続登記は不動産を買主様へ引き渡す時点までに終えていれば、実際の不動産売却のスケジュールには影響がない為に、実務上ではそのような方法を取る場合もあります。

いずれにしろ、相続人間でトラブルがなければ、相続不動産の売却は難しい事はありません。また、親の残した財産である事でその処分についてなかなか相続人間で話がしづらいなどのケースでは、第三者である不動産会社などが間に入る事で円滑に話が進むケースもあります。相続不動産が空き家となりそのままにしておく事は、所有者様から見ても、社会から見ても最も避けるべき状態です。活用の予定がない相続不動産をお持ちの場合には円滑に手続きをしてくれる不動産会社を探してみるのも良いと思います。

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