9月21日の福島民報によれば、福島県の地価上昇率が沖縄県に次いで2位だったそうです。今日は、この記事について私の福島市の相場の肌感も合わせ書きたいと思います。
県は二十日、今年七月一日時点の地価調査結果を発表した。県内の住宅地は前年からの「変動率」が県平均で1.5%となり、全都道府県で沖縄県に次いで二番目に高い上昇率となった。全国1位だった前年(2.0%)から0.5ポイント減少した。県は東京電力福島第一原発事故による避難者需要がピークを越す一方、地域経済の回復や低金利などを背景に都市部の土地取引や住宅着工が活発で上昇が続いていると分析している。
福島市は(3.2%増)は住宅除染の終了に伴い、放射線量が比較的高かった東部を含め、土地取引や住宅着工件数が震災前を超える水準だった。
住宅地平均 | 商業地平均 | 工業地平均 | 全用途平均 | |
価格 | 38,200 | 65,500 | 25,400 | 44,700 |
変動率 | 3.2 | 1.8 | 3.0 | 2.7 |
私はこの記事を読んで、なるほど、と思う一方、現在とマスメディアとには、やはり時差があるな、と感じます。福島県の土地価格上昇の原因は、間違いなく東本大震災の原発事故による避難者の需要です。この需要に陰りが見えた現在、相場は下降傾向にあります。2015年まで高値を維持し続けた相場でしたから、私たちとしても急ぎ足にならぬ様、売主様の慎重に価格設定を行ってきましたが、冬、春、夏を越えて未だ戻らず、むしろ下降している訳です。ですから半年程度相場より遅く感じるのです。
不動産価格は新築建売住宅の価格変動を見ると顕著です。一時の頃と比べ200〜300万円程度価格が低く設定されています。ただ、震災前後の頃と比べればそれでも高値ではありますので、今後特段の需要がなければ、緩やかに下降していくのではないかと見ています。記事に書かれているように「当面は高水準が続いていくだろう」との予測は福島市においては少し希望的観測のように思います。(浜通りはまだ高水準が続くと思います。)
また、実際の取引相場の値動きは年間で数%というよりは、もっと大幅なものです。例えば2011年と2015年を比べると取引肌感覚としては少なくとも20〜30%程度は上昇していたように思います。単体の価格とすれば、数100万違っていたのです。不動産はそもそもが高額が資産ですから、値動きの金額も大きなものです。
今、売主様から「売り時か?」と聞かれれば、「売り時です。」と答える以外にありません。避難者の需要が終わりに近づいていること、合わせて、震災によって若い世代が福島市より転出したこと、そもそも人口が減っていくこと、今ある材料から判断して、明日より今日が売り時だと思うのです。
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