お客様に恵まれ、日々の沢山の売却相談を頂く当社ですが、ご相談頂く案件で、もったいないなぁと思う事があります。それには様々なケースがあるのですが、その一つに、特例である居住用財産の3000万円控除が使えなくなってしまっているケースがあります。
通常、不動産を売却すると、譲渡所得税が課税されます。これは短期譲渡所得(所有してから5年未満の売却)で41.1%、長期譲渡所得(所有してから5年以上経ってからの売却)で22.1%と課税されると非常に負担の大きい税金なのですが、元々住んでいた土地建物である場合は譲渡益(課税対象)から3000万円が控除されるという特例があるのです。
これに該当する場合、福島市の不動産で居住していた一般的な戸建てやマンションを売却する際にはほとんどのケースが税金を支払う必要がありません。(福島市で土地建物合計で3000万円を超える不動産はあまり多くありません。)もちろん、譲渡益に対しての控除ですので、元々購入した際の土地建物契約書や領収書をお持ちの場合には売却益から取得費を差し引いた額が対象となります。ここまで考えれば、購入当時建物に大幅な予算を振っていない限り、ほとんどのケースで支払う必要はないでしょう。
しかし、上記の特例にはいくつかの適用要件があります。その中で売却時期を示した以下の内容から外れてしまう方がいるのです。
「自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。」
つまり、引越してから3年目の12月31日を超えて売却をした場合には、課税対象にそのまま課税されてしまうという事です。例えば、課税対象が2000万円だとしたらならば、3年目の12月31日までは譲所得税は0円ですが、これを超えると、長期譲渡で442万円、短期譲渡で822万円を税金として支払わなくてはいけない訳です。実際のケースで言えば「住替えはしたけれど、とりあえず今必ずしも売らなくても良いから、2〜3年貸しておくか」と3年目の12月31日を超えた場合、3年間貸した賃料合計以上の税金を支払わなくてはいけなくなるのです。
当社にご相談頂くお客様で、上記のような事になってしまった方は住替え先である不動産を購入したり、建物を新築した際に、こういった事をアドバイスしてくれる不動産業者や建築業者はいなかったとおっしゃいます。また3000万円控除の対象となるお客様も、「それは知らなかった。」とおっしゃる方が少なくありません。知らないがために数百万もの税金を課税されてはたまったものではありませんね。
もちろん、こうした事を一般の方が知るには何らかの手助けが必要です。このブログも上記のような事に陥らない為の手助けになれば嬉しいなと思います。
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