住宅ローンが残っている家を売却出来るのか?

新築や中古住宅を購入する場合、多くの方は住宅ローンを組まれます。今は低金利の時代ですから月々の家賃並みの支払いで生活環境は格段に快適になります。しかしその反面、最長35年と住宅ローンは非常に長い返済になりますから、その途中で家族構成やライフスタイルが変化する事し住み替えを考える場合には残りのローンをどうするか、という問題が出てきます。

表題に対し、結論から言えば、住宅ローンが残っている家でも当然売却する事は可能です。ただし、家を買主様へ引き渡す際に、銀行が設定している抵当権も抹消する必要がありますので、一括で残りのローンを完済する必要があります。例えば、売却価格が2000万円で残債(残りの住宅ローン)が1800万円であれば、+200万円ですから何の問題もありません。しかしそれが逆となると売却は出来ないという事になります。

以前にご相談頂いたお客様ケースでは、比較的人気のエリアで4年前にローコストメーカーにて新築をなされた住宅を、住み替えの為に売却したいとのご要望でした。当初の新築時に掛かった費用は土地1000万円・建物1100万円合わせて2100万円だったそうなのですが、新築後4年経った今、私の売却査定額は2280万円でした。(私ども査定価格は楽観的なものではなく、あくまでも3ヶ月以内で売却出来る金額としたものです。)築4年経っているのに関わらずプラス180万円、4年分アパートを借りていたとすれば月6万円×48ヶ月で288万円、合わせて468万円のプラスです。何故このような事になったのでしょうか。

その理由の一つは福島市の不動産需要の高まりにより土地の価格が上昇している事にあります。東日本大震災前後の頃と比べると実勢で20%から場所によっては50%以上上がったところもあります。これによって取得時よりも高額で土地が売却出来るという事があります。さらにもう一つはこのお客様はローコストメーカーで新築をした、というところにポイントがあります。

ローコストメーカーと聞くと、「大丈夫なのかな?」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、前提として建築基準法上、性能に問題のある住宅は自治体が建築を認めません。つまり原則として性能上全て一定のレベル以上のものだ、という事です。使われている建材などは比較的安価なものが使用されていますが、査定の計算上もあくまで躯体構造が査定の対象となるため、ローコストメーカーだから、とマイナスになる事はありません。(グレードの高い建物がプラス査定になる事はあります。)また、建物のグレードは建主の趣向に寄る部分が大きく、需要に対しての汎用性が低い為かけた費用がそのまま評価されるという事は少ないのが現状です。加えて言えば、グレードの高いメーカー程原価率が低く(粗利率が高く)、ローコストメーカー程原価率が高い(粗利率が低い)という事もあります。(これはローコストメーカーが棟数で勝負しているという部分が反映されていると思います。)つまり、新築時にはグレードの高いメーカーとローコストメーカーとの価格が500万円あったものが売却時には200万円程度に縮まっているという事がある訳です。実勢取引においては減価償却のスピードが異なってくるのです。

高度成長期でもバブル期でも無い現在は取得時よりも売却時には値が下がると考えるのが一般的です。しかし、上記のように建物よりも土地に比重を置いて新築されたケースでは住宅ローンを完済し、次の住み替え費用捻出出来てしまうケースがあるのです。もし現在住宅ローンがあるけれども、可能であれば住み替えをしたいなーと思っている方がいらっしゃれば一度不動産業者に相談してみるのも良いかもしれません。意外に高額査定になるかもしれないですよ。

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