誰にも知られずに不動産を売却する事は可能なのか?

不動産の売却を考える売主様から頂くご要望の中に「誰にも知られずに売却したい。」というものがあります。不動産を売却されるご理由は売主様によってそれぞれですが、それは常に明るいものばかりではありません。場合によっては離婚で、という事もありますし、相続で揉めていてなど売却する事をあまり周りの方に知られたくないという事は少なくないのです。

不動産売却は需要と供給のマッチングですので、基本的にはどれだけ多くの購入希望者にその物件の情報を認知して頂くか、つまり情報の間口をどれだけ広げることが出来るかが早期売却の可能性を高める大きなポイントだと思っています。需要はどこになるか分からない為、どこかで情報が引っ掛かる様に準備する訳です。当社で物件をお預かりした場合、同時に複数社で広告活動を行っていくのはその為です。間口が広ければ広い程マッチングの可能性は高くなります。

では、誰にも知られたくない(広告活動を行わない)場合には売却が難しいのかと言いますと必ずしもそうではありません。逆に表に出ていない情報だからこそ高く売却が出来たというケースもあるのです。例えば「特別な貴方にだけ情報を公開しています。」と言われたらなんだか興味が湧きませんか?人の心とは不思議なもので、公開されていない情報だからこそ希少性を感じ惹かれるという部分は誰にでもあるか思います。もしそれが自分の(購入希望者様の)条件と合致していれば尚の事運命に近いものを感じるでしょう。ご紹介する立場の私たちも運命に近いものを感じてしまうのですから。

実際にはそのような形で一度も表に出る事なく成約になる物件も一定割合存在します。特に土地の場合、その割合は比較的高いと言えます。というのも、家を建てたい方はまず住宅メーカーに相談に行きます。新築の場合、建てたいメーカーが決まったら、土地を探すという順番が一般的です。ですから住宅メーカーには潜在顧客がたくさんいる訳です。そういった住宅メーカーと私たち不動産業者は繋がりがありますから、潜在顧客がどのような条件で土地を探しているのかをある程度わかっている訳です。条件が合う潜在顧客がいらっしゃれば、ピンポイントでその方だけに情報を流します。上記の理由も後押ししてそこで成約になる、という訳です。

また中古住宅の場合は不動産業者の既存顧客に購入して頂くケースがほとんどです。既存顧客(購入希望者様)は常に自分の条件に合う物件を探していらっしゃいますから、入れ替わりはある訳ですが、これを1社のみでなく複数社で行う事でマッチングの可能性を高めるのです。もちろん表には出さずに。(ちなみに不動産業者が既存顧客として認知している購入希望者様は、すぐにでも買いたいという様な購入への意欲が非常に高い方が多いです。)

ただ、土地にしても中古住宅にしても、広告を行わずに売却する場合、注意しなければならない点があります。それは、仲介の依頼をする不動産業者が住宅メーカーや他の不動産業者との繋がりがあるのか、という点です。また、本来あってはならない事ですが、不動産業者によっては、仲介手数料を多く貰いたいが為に(両手取引を行いたいが為に)、他者へ物件情報を提供しないという業者もある様です。1社だけでの既存顧客ではやはり限界がありますから、そのような業者へ依頼してしまうと売却が長期化してしまいます。長期化した事で焦ってしまい売却金額が低くなってしまった、なんて事になれば目も当てられません。こういった事を防ぐ為には、売却の依頼をする前に、どのように販売していくのか、表に出ない販売網を持っているのか等販売計画を不動産業者へ確認するのが良いと思います。実力のある不動産業者は売主様のご希望にできる限り沿った販売計画を用意しているものです。

また、上記は誰にも知られずに「仲介」にて売却する場合の話ですが、よりスピーディに確実に売却する方法として不動産業者へ直接買い取ってもらうというものがあります。仲介での売却に比べ金額は低くなる傾向がありますが、この場合は買取を依頼する不動産業者以外には誰一人知られずに売却を完了する事ができます。また手続きは全て不動産業者側で行ってくれますので、売主様にとっての面倒はほぼありません。こちらの詳細についてはまだ後日詳細を書きたいと思います。

いずれにせよ、結論を言えば誰にも知られずに不動産を売却する事は十分に可能です。あとはそれを具体的な戦略を持って実現してくれる不動産業者と出会えるか、それに尽きると思います。私どもも、日々実力を高め、それを実現できる不動産業者でありたいと思います。

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