滞納税延滞金の減免交渉について。

滞納税延滞金の減免交渉についての話です。

以前、当社へご相談を頂いたお客様で固定資産税や市民税を10年以上滞納されている方がいらっしゃいました。お話しを伺うと、これまでに滞納してしまった税金も支払いたい気持ちはあるけれど、現在年金暮らしの為に現実的に支払うのは非常に困難だとおっしゃるのです。さらに住宅ローンも数百万円残っており、こちらも遅れがちになっているとの事。だからこの際、お住いのご自宅を売却して全て精算したい、とお気持ちを決め当社へご連絡を頂いたという事でした。

早速当社で査定をさせて頂いたところ、売却金額で負債全てを精算するのは難しい状況。どう頑張っても数百万円は残債が残る計算です。しかし、このまま無理です、と言ってしまえば売主様は現実的に支払う事のできない税金に苦しめられ、最終的には差押え、公売となってしまいます。さらに公売されたとしても精算しきれない税金は相殺されません。自治体の権力は有無を言わさぬものがあります。

そこで私は延滞金について市役所と交渉する事にしました。通常、税金を滞納した場合、年14.6%の滞納金が賦課されます。14.6%ですから消費者金融並みの利息です。現状で賦課された滞納金を全て減免してもらえればなんとか売却金額で全てを精算出来ます。

売主から委任状を預かり役所へ出向きました。以下職員さんとのやりとりです。

「早速ですが○○さんから税金の件で委任を受けまして、こちらへ伺いました。実は○○さんは現在年金で暮らされておりまして、毎年申し訳ないという気持ちを持ちながら、お支払いができなかったそうなんですよ。」

「そうですか。あ、本当ですね、10年も滞納している。市としてはお支払い頂きたいところですね。」

「そうですよね。税金は皆さん税法に則ってお支払いされますからね。でも、○○さんもお支払いしたいとう気持ちは非常にお有りの様で、今回自分の家を売ってでも支払うと決めたそうなんです。ただ、売却しても全ての負債を精算できる訳ではないので、ご相談に伺ったんですよ。」

「というと、どういった事ですか。」

「いや、これまで滞納した税金を全て一括で支払う事を条件に、延滞金を減免していただけないでしょうか。」

「いやー、それは無理ですね。皆様からは頂いていますから。」

「おっしゃる通りです。しかしながら、現実的にこれから先も支払う事ができないとなれば、最後は公売です。公売となれば市に支払われる金額も少なくなります。○○さんにも負債が残ります。誰も得しませんよね。」

「それはそうなんですが、決まっている事ですので。」

「これはお支払いする為のご相談なんです。支払いたくない、と言っている訳ではありません。支払いたいから減免してほしいのです。」

「うーん、お気持ちは分かるのですが。。」

「滞納してしまった税金は全て一括でお支払いします。これは全ての国民、市民が支払っているものですから当然に支払わなければなりません。これを支払わないのならば、普通に支払っているその他大勢の方に説明がつきません。必ず一括で支払わせます。」

「うーん。。」

「しかし、延滞金は他の方が支払っている訳ではないですよね。市としても元々予算にある訳ではない。もちろん、延滞してしまった○○さんの所為といわれればそれまでですが、もうご年齢もご年齢ですし再就職は難しいと思います。現実的に支払えないのです。なんとかご恩情いただけませんか。支払う為の減免なんです。」

「私一人では決められませんので、ちょっとお待ち頂いてよろしいですか。」

〜15分後〜

「半分でしたらなんとか減免できるかもしれません。」

「本当ですか。無理を言って申し訳ありません。しかし、それでは売却しても全ての負債を消すことはできません。そうなると抵当が付いている為に減免して頂いても売却出来ません。」

「これ以上は難しいのが市としての見解です。」

「なるほど、しかし他の自治体ではこのような事例があります。この方も年金暮らしの様ですね。元々○○さんもご病気になられた事を起因として税金のお支払いが滞ってしまった様なんです。この際に本来は徴収猶予を受けても良いような状況でした。しかし、○○さんはそれをされなかった。支払いを減免するなんて申し訳ないと思ったそうなんです。」

「確かに他の自治体ではこの様な事例もあるようですね。」

「ご存知でしたか。さすがですね。減免措置を断り裁判になったケースもある様ですね。」

「ええ、ありますね。」

「お支払いする為の減免申請なんです。これはやむを得ない事情とはみなされないものでしょうか。」

「うーん。。。やむを得ない事情ですか。」

「○○さんはこれからご自宅を売却して賃貸住まいをされます。ご高齢でお住まいを替えるのは大変な事です。しかし、税金は必ず全ての人が支払わなければならないもの、そう考えれば当然です。○○さんにも当然の事をして頂きます。何度も申し上げますが、これはお支払いする為の減免のお願いです。減免して頂き、滞納した税金を全て支払える、○○さんも負債から解放される。○○さんはもちろん、市としても、このまま公売にかけるよりも損のない話です。加えて言えば、現在賦課されている滞納税以外の通常の税金も全て支払わせます。今回の事でご恩情をかけて頂ければ、その旨をきちんと○○さんにもお伝えします。年金が少なかろうが、これから先の税金をきちんと必ず支払う事でご恩情に答えて下さい、と。」

「分かりました。少し時間を頂けますか、上と確認してきます。」

「ありがとうございます。お待ちしております。」

〜20分後〜

「お待たせしました。○○さんは年金暮らしでご病気がちなんですね。」

「はい。体調がすぐれない日もある様です。」

「分かりました。滞納金に関しては全額減免させて頂きます。」

「ありがとうございます。税金の分については必ず全額支払わせます。」

と職員の方にご恩情をかけて頂き、滞納金を全て減免して頂く事が出来き、その後の売出しも2ヶ月強で想定価格での売却に成功し、全ての債務から解放され非常に喜んで頂く事が出来ました。

実は自治体の税金及び滞納金に関しては「減免基準」があり、「絶対的減免(免除しなければならない場合)」「裁量的減免(免除できる場合)」が規定されています。それぞれ内容についても規定されている(ゴリ押しするとその内容を開示してくれます。)のですが、「やむを得ない事情」というような、担当者や上席の裁量に依る部分も大きく、交渉次第で減免されるかどうか、される額などが大きく変わるというのがこれまでの印象です。今回のケースは売主様の現状と前向きな姿勢が評価されての事かと思いますが、例えば天災などによる支払い困難なども該当する場合があります。

やはり交渉次第という訳です。

もし、このブログをご覧の方で同じような状況でおられましたら、ぜひ当社へご相談下さい。成功の確約は出来ませんが、出来る限りの尽力をもってご対応致します。そこに不動産売却専門を名乗る私たちの存在意義があると考えています。

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